家族支援をはじめる

Let’s 自己覚知 自分を知るための方法について

以前、自己覚知について書きました。

「自己覚知」というのは、社会福祉の用語で、自己=自分のことを、覚知=自覚している、ということ。英語でいうと、セルフアウエアネス。セルフ=自分、アウエアネス=気づいていること、です。

だれかの支援をする前に、これは必ずしなくちゃいけないことなんですね。
考え方のクセとか、コミュニケーションのクセとかを、自分でわかっていることがだいじ。

以前書いた記事の中で、

mami
mami
自己覚知の具体的なやり方とかは、また別の記事で書きます。ここでは、自己覚知ってなんなのか、そして、なぜそれが家族支援者にとって絶対に必要なのかについて解説します

と言ったので、お約束通り、この記事で自己覚知の具体的なやり方について少しだけ説明しますね。

はじめに

自分を知る方法、自己診断ツールなんて、サイトをひらけば掃いて捨てるほどあります。
サイトを開かなくても、人と出会い話をすれば、「自分と同じような考えだな」とか「自分はそうは思わないな」とか感じて、自分を知る機会は、意識してさえいればいくらでもあります。
だからそれらを利用して、各自で絶えず自己覚知の努力を……。

なんて言っては元も子もないですよね。

そこで、ここでは、私のこれまでの経験で、「これはいいなあ!」と思ったものを紹介していきます。

支援者として特に必要な観点について考えるヒントです。
「自分を知る」と言っても、性的指向や趣味嗜好などは、支援をすることにあまり関係がないので扱っていません。

以上ご了承の上、参考にしてください。

思考のクセ

ある心理士の方が紹介していた方法です。
この問いに対して、反射的にどう感じるかで、思考のクセがわかります。

「話をしていたときに、相手が居眠りしていたら、あなたはどう感じますか。」

①眠いのかなあ?
②私の話が面白くないのかなあ。
③人の話を聞くときに寝るなんて!

このように、人は、同じ現象に対して、さまざまな感じ方があり、それがその人の思考のクセを象徴しているとのことです。

コミュニケーションのクセ

自分のコミュニケーションのクセを知りたい、あるいは、適切なコミュニケーションの方法を知りたいという場合、アサーティブネスの講座が有効だと私は考えます。
このサイトでは、有料講座の紹介は避けたいと考えていますが、この団体のサイトは一見の価値ありです。

アサーティブジャパン

人は3つのありがちなコミュニケーションパターンに陥りがちですが、そうではなくて、4つめの方法すなわち、アサーティブなコミュニケーションを身につけよう、と説いています。

偏見

支援者にとって、一番の肝は、自分の中の偏見について知っておくことだと思います。

なんて言っている私自身だって、どこまでそれに向き合えているかわかりませんが、ずっと自分の中の偏見を意識し続けることは、支援者にとって必須のこと。

たとえば、
もし、あなたの子どもや兄弟が、同性の恋人を連れてきたら、どう思いますか。

たとえば、
もし、自分の子どもに障害があると言われたら、どう思いますか。それは、子どもが病気になった時と、同じ気持ちですか。

たとえば、
社会的地位のある人やお金持の人と、地位もお金もない人と、全く同じように接していますか。

総論で、自分はLGBTQに対して理解があるとか、障害者差別は許されないとか、どんな人も平等に生きる権利があるとか、アタマではそう考えていても、自分の個人的な体験に引き寄せて想像すると、自分の中の偏見に気づくことができます。

もし、このような検証の中で自分の中の偏見に気づいても、それを必要以上に嘆いたり、無理に閉じ込めたりする必要はありません。

それぞれの人には、そのような偏見を持つに至った、個人的な歴史があります。住んでいる地域や国の社会的な影響があります。
偏見を自覚することは、それらについて考えるきっかけです。

思い込み

思い込みについては、ジェンダー(社会的性差)の例が一番わかりやすいですよね。
男性が髪飾りをしたりスカートをはいたりすることに違和感を持つ人は多いですよね。
でもそれって、「男の格好はこういうもの」という一定の思い込みがあるからなんです。

時代差でも、それは理解できると思います。
江戸時代のちょんまげだって、当時は誰も違和感なかっただろうけど、今では……。
それも、現代の髪型の許容範囲を、私達がいつのまにか身につけているから。

私達が現象に対してなにかを感じるとき、意外と、この”思い込み”を混ぜて感じていることが多いです。

私が学んだ家族支援のテキストでは、家族に関する思い込みや刷り込まれた役割意識を全部ひっくるめて、Mythと表現していました。
Mythは直訳すると「神話」なんだけれど、要は、「みんなが思い込んでいる、絶対と思っている、共通の認識」みたいな意味で使われていました。

そしてこれが、家族の幸せを阻むことがある、と指摘していました。

だから、家族の幸せを促進するはずの支援者が、このMythに囚われていたら大変です。
家族支援職課程では、偏見についてとともに、このMythにはどんなものがあるか、それに囚われないためにどうすればいいかみたいなことも、多様な実例を材料に、繰り返し繰り返し学びました。

ポイント

支援者は、偏見と思い込みに敏感であることがいちばん大事!

パワー

支援者の持つパワー、支援する対象の持つパワー、家族内メンバーのパワーバランスなど、自己覚知と密接な関わりのある概念です。

パワーについては、家族支援職資格課程でモジュール(学習のひとかたまり)一つを丸々費やして学びました。それを一つの記事にまとめているので、恐ろしくざっくりではありますが、パワーとエンパワーをわかるのは家族支援の基本中の基本だよ!で解説しています。

支援者として、パワーの概念は、絶対おさえておいてくださいね!

mami
mami
偉そうに解説してますけど、パワーオーバーになりがちなキャラ、それは私……。

おわりに

だから家族支援(子育て支援・親支援)のプロに資格はいらないんだってば!でも、支援者である限り、学び続けなければならないと書きましたが、自己覚知も、これで終わり!ってできるもんじゃないんですよね。
支援の仕事を続けている限り、絶えず自分をふりかえって、自分はどういう人間なのか、今、どういう状態なのか、考え続けなければいけないのだと思います。

mami
mami
とくに私みたいに年をとってキャリアを積んでくると、「もう大丈夫。」と思いがちだから気をつけなくちゃ。