家族支援をはじめる

家族支援のプロの仕事と収入について

普通、プロって言えば、それを生業にしている人のことを言いますよね。
つまり、その仕事ででご飯を食べている、生活していけるだけの収入を得ている人。

家族支援のプロは、そのような収入を得ているとは限りません。

そもそも、日本に家族支援者という仕事はないです。
だってまだ、日本では家族支援というジャンルすらしっかりと認識されていないんですから。

mami
mami
だから、まずはここで、なにをもって家族支援のプロというかを明記することに挑戦しているんだもんな……

仕事について

日本では、ほんの数十年前まで、家族支援者として充分な実力を持っていても、家族支援自体が仕事として認識されていないため、ボランティア活動をするしかありませんでした。

mami
mami
だから私は、ファミリーライフエデュケーターなんて海外の資格を持ってきてまで、自分で仕事を創らなきゃならなかったんだよなー。

あの頃に比べれば、子ども家庭支援センターとか、子育て支援NPOとか、家族支援の仕事っぽいのが、たくさんできましたね!
子育てひろばのスタッフも、もちろん家族支援の仕事。
我が団体でも、よく職員を募集しています。

2003年にカナダへ行ったとき、現地の子育てひろばで
「新しいスタッフを募集しているんだけれど、厳しい仕事だから、なかなかなり手がいなくて」
という現地スタッフの愚痴を聞き、
「まさか! 子育てひろばでお給料もらえるって言ったらやりたい人はたくさんいるよ! 日本にはそんな仕事すらなくてみんなボランティアでやってるのになー」
と思ったことを鮮明に覚えています。

それが今、職員募集だもんなー。

ほんとにいい時代になりました。
もちろん、前に比べてというだけの話で、まだまだ、まだまだ、家族支援が充実したとは言えない現況ではありますが。

ちなみに、私が資格を取った2003年の時点で、すでにカナダには、

ファミリーリソースプラクティショナー 
= 子育てひろばのスタッフのような福祉的アプローチをする人
ファミリーライフエデュケーター    
= 私のような成人教育的アプローチをする職種
ファミリーソーシャルワーカー     
= 文字通り、家族ソーシャルワークの人
コミュニティコーディネーター     
= 地域にあるいろいろな家族支援をつないだり調整したりする人
ファミリーセラピスト         
= 心理職

ほかにもあると思いますが、とりあえず思いつくだけでもこんなにたくさんの家族支援の仕事がありました。

日本にも、学校に配置されることになったスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーや、あるいは昔からある保護司や民生委員、児童相談所等、家族支援者の範疇に数えられる仕事はいろいろありますよね。
ただ、そういった、家族に関わる仕事をしている人が、家族支援理論をベースに、家族支援者だという自覚を持って活動しているというわけではないですもんね。

mami
mami
教師や保育士、医師や看護師等、家族支援理論を知っていると仕事がスムーズになりそうな仕事はまだまだあるなー。

このサイトを愛読してくださる方と、「自分は家族支援のプロなんだ」という意識を共有できたら嬉しいなあ。

就職について

もし、これから家族支援者になりたいとお考えなら、自分のやりたい、必要だと思う支援にぴったりくるような新しい仕事を創ることをお勧めします。

以前に書いたように、今や全国に広がる子育ひろばだって、数十年前は定まった名前さえない新しいアクションでした。

私のファミリーライフエデュケーションだって、2003年当時は、日本に全く存在しない新しい概念だったけれど、なんとか仕事になっていきました。
(ファミリーライフエデュケーションという名前は、私が微力ゆえ未だ認知されていないけど、多方向コミュニケーションによる親支援プログラムは全国に広まっていますよね。)

ほかにも、各地で、今までになかったアクションを起こしている家族支援者を私は何人も知っています。
若い世代による新しいアクションも、きっとたくさんあるはず。
(適当なワードでインターネット検索すれば、きっと面白いものがいろいろ見つかることでしょう。ただし、営利目的の似非家族支援もありますから、それは見極めてくださいね。)

自分のやりたい支援がはっきりしている人は、彼ら先達に続けて自分のイメージ通りの新しい仕事を産むことをお勧めします。
もちろん最初は、収入に結びつくどころか、持ち出しばかりの時期が続くかもしれないですけど。
でも、家族支援に限らず、新しいアクションってそういうものですよね。

mami
mami
私のこのサイト運営も、持ち出しのみの大赤字ですよー笑。

インターネットによって、ユーチューバーやノマドワーカー等、今までなかった働き方が可能になる時代です。
クラウドファンディングでお金を集めることもできますし。
私が起業した頃より、ずっとやりやすいのではないかなあ。

family supports worker applicant
family supports worker applicant
いやいやそんな、起業するほどのバイタリティはありません。既存の仕事でいいんですー。
mami
mami
そーですかー。

だとしたら、すでに家族支援を手がける社会福祉法人、NPO法人等に就職するのがいちばん手っ取り早いのかな。
役所や公的機関、社会福祉協議会等に就職する方法もあるけれど、必ず家族支援の仕事ができるとは限らない。

ただ、この場合は、国家資格を求められることが多いです。
実力があれば、家族支援のプロと言えるのに、日本の古い体質に合わせるのは悔しいけど、保育士、社会福祉士等の資格があるほうが断然仕事が見つかりやすい。

もちろん、今からこれらの資格を取るという選択肢もありますよ!
私自身、50代で保育士を取りましたし、60代で社会福祉士をとった人も知っています。

起業と就職の折衷案もありますよね。
団体に入って、その中で企画を通していくという。

とにかく、どうせやるなら、自分を知って、ふさわしい仕事をすることがいちばんです。
収入が必要ないなら、ボランティアでプロの仕事をするという選択肢もあります。

家族支援は、誰でも、何歳からでも、始められます!

収入について

家族支援のアクションはすべて、だれかを幸せにする仕事
そして利用者がお金を払うことはほとんどないので、それをする人が収入を得るためには別のところからのファンド(財源)が必要。

私は、多額の費用のかかる親教育や子育て支援サービスを家族支援の範疇に入れていません。
「そっちはそっちでやっといてください」と思っています。
なぜなら、誰でも(貧困層でも)アクセスできるのが、本来の家族支援と考えるからです。
もちろん、高額の家族支援の中にも素晴らしいものはあるかもしれないですけど、
私は、誰でもアクセスできる、つまり無料もしくは低額の利用料で提供される家族支援にのみコミットしていきたいと思っています。
ここでいう「家族支援のプロ」も、無料または低額の家族支援を提供しようと考える支援者をイメージしています。

別のところ、それはすなわち税金です。
いろいろな子育て支援サービスが国や地方自治体の制度になることによって、家族支援は仕事になることができます。

ただ、日本が税金を家族支援に拠出する割合は、諸外国よりずっと少ないらしいのです。
それをなんとかしようとしている全国組織もありますが、現状の国家や自治体の家族関係予算の少なさが、家族や子どもの幸せの実現を阻んでいる面もあるのは、誰もが知るところです。

そして、支援者達が、プロの仕事をしているにもかかわらず、低い収入で甘んじなければならないという現実も、ここに由来します。(プロとは呼べない人が収入を得ているという現実も、コトを複雑にしております。)

そして、そんな状況に業を煮やした肝っ玉プロ支援者のなかには、

super family supports worker
super family supports worker
カネなんかいらんわ! できる限りの支援をしたるわい!

という人が全国各地にいて。
拙著は、そんな実例をレポートした本です。)

というわけで、家族支援の場合には、その実力と収入は全くもって比例しないという奇妙な状況なのであります。

a commentator
a commentator
政治の貧困を一般市民の篤志で補填する状況はおかしいんじゃないか?

と憤ってくださる方もおられるのですが、だからやらないっていうわけにいかないんですもん。
目の前に困っている人がいたらほっとけない。

もちろん、家族支援を充分な収入を得られる仕事として成立させるべきだという主張ももっともなことで。

国家予算がもっと家族関係支出に向けられるだけでなく、キリスト教圏のような寄付文化が根づいたり、企業等とのタイアップが進んだり、自主事業で利益を得たり。
家族支援をする団体や人が、上記のようないろんなファンド(財源)を持って、家族支援のプロが充分な収入を得られる世の中がきてほしいですね。

mami
mami
ちょっと当たり障りなくまとめちまったなー。

ホントのこと言うと、私が生きている間にはそんな時代は来ないんじゃないかなーって思っています。
いつだって、弱者は虐げられてきたからな。

mami
mami
でも希望は捨てない。