家族支援をはじめる

とりあえず気軽に家族支援を始める方法を、いろいろ考えてみた

子どもにまつわる悲しい事件や社会問題に対して、なんらかの力になりたいと思っているけど、子育て支援業界は、家族支援のプロじゃない人材を求めてる!って言われても、「地元の子育て支援団体に遊びに行ってみて」って言われても、実際、はじめの一歩をどうやって踏み出せばいいのか……。
という声にお応えして、今まで家族支援に無縁だった人が気軽にアクションできる方法を、具体的にいろいろ考えてみました。

とりあえず情報収集

心で思っているだけじゃ、何も始まらないんですよ。評論しているだけでも同じこと。
本当に、少しでも子どもの力に、家族の力になりたいのなら、体を動かさないと始まらない。
でも、体を動かすって言ったって、いったい、どこで何をすればいいか……。
まあ、この時代であれば、既存の団体に参加するのがいちばん気軽です。
というわけで、まずは団体に関する情報収集の方法について考えてみました。

ポチッとネット検索

やはり今の時代はコレですよね。
とりあえずスマホやPCで情報収集。
ボランティアで参加したいような団体を探してみるのが一番手っ取り早い。
ただ、これには落とし穴があって。
ネットに載っている団体情報にはいいことしか書いてなかったり、逆にいい団体なのにネットに情報をあげてなかったり。
あるいは、ビジネスでやっているところだったり、よくよく考えると活動内容自体が?だったり。

ネット検索するときのコツ(個人的)

私がネット検索をする時の判断基準をいくつか参考までに紹介しておきます。でもこれはあくまで私の主観的な方法なので、参考までにとどめてください!

膨大な情報の中から、私なら以下のものははじきます。
✕高額な有料サービス提供団体
(ビンボーでもアクセスできる活動にコミットするのが私の主義)
✕サービスにお金がかかることは書いてあるけれど、金額が書いていない団体
(高い金取るに決まってる。以下上記と同様)
✕数日から数カ月で子育て支援の民間資格が取れると謳う団体
(参考 だから家族支援(子育て支援・親支援)のプロに資格はいらないんだってば!
✕やたらサイトのクオリティが高い団体
(リアルの活動に没頭してたら、サイトに金も時間もかけられないはず
(しつこいけど個人的意見です)

逆に、以下のものは深堀しちゃいます。
○共感できることが書いてある。
○手弁当感満載
○サイトがイマイチ、更新が滞っている。
(リアルの活動が有意義な証拠かも。そして本来今の時代にちゃんとやるべきところ(サイト運営)が抜けているところが可愛い)
○発想が今っぽい。今の時代に求められている新しい活動をしている。

でもこれだって、リアルに行ってみないと結局はわかりませんからね!
カナダの先生が言っていました。
「こういう時代だからこそ(といってもすでに10年以上前なんだけど)face to face(顔を顔を実際に合わせて)のコミュニケーションが大切なんです!」って。
もっと言えば、実際に行ったとき、最初すっごい感じ悪くても、実際にはいい団体だったりしますからねー。
結局はトライアンドエラーしかないんだろうか……(^_^;)。

公民館や図書館でチラシを収集

公的施設には、たくさんの市民団体やNPOが主催するイベントのチラシが置いてあります。実際にそのイベントに行く気がなくても、そこに置いてあるチラシをごそっと持って帰ります。そして家に帰ってゆっくり読んでみると、そこに書いてある情報から、地域にどんな団体があって、どんな活動をしているのかがわかります。
気になる団体があったら、そのチラシのイベントに、まずは参加してみたらいいと思います。
そしたら、自分の正体や意図を明かさずに、その団体の雰囲気がわかります。良さげな団体だったら、その場で声をかけちゃいましょう。

自治体の冊子で子育て支援サービスを調べる

自治体が転入者用に作っている冊子や、出産をする人向けに配布している冊子などに、地域の子育て支援サービスの連絡先がたくさん載っているので、そこに電話して、活動内容やボランティアの受け入れについて聞いてみるという方法もあります。冊子には電話番号しか載っていないけれど、同じように見える団体や場所でも、それぞれ感じがちがうので、興味深いです。

ボランティアセンターや子ども家庭支援センターに行く

各地域には、なんらかの形でボランティアセンターやボランティアセンター的機能を持つ場所があります。ボランティアセンターには、当然、常時様々なボランティアの募集情報が蓄積されています。ここで自分のやりたいことが見つかったら話は早い。
ただ、ここもインターネットと同じで、すべてのボランティア募集情報を網羅しているとは限らないのです。
子ども関連のことがやりたいという気持ちがはっきりしているなら、もしかしたら、地域の子ども家庭支援センターに直接行って、相談する方が早いかもしれません。
知らないところに行くのは気後れするかもしれないですけど、どんな所かは、行って見なくちゃわかりません。もし、感じ悪かったら行くのをやめちゃえばいいんです。

周囲にキモチを言いふらす

「家族支援にコミットしたい」ということを友人知人にとにかく言いふらしてみてください。
意外なところから有力な情報がわいてきます。友人知人の紹介だと、やっぱりつながりやすいし、なんとなくやりやすいものです。

とりあえず行ってみる

情報収集の結果、一緒にやってみたいなと思う団体が見つかったり、やりたいなと思うことが見つかったりしたら、いよいよ行動開始です。
ここでは、行動する時に気を付けておくといいことについて考えました。

まずは遊びに行こう

良さそうな団体が見つかったら、すぐにボランティアを始めたいと気持ちが焦ってしまうかもしれません。
でもとりあえず様子を見て、まずは遊びに行くところから始めることをお勧めします。
遊びに行っているうちに、その団体の雰囲気や様子がわかってきます。
もしこの段階で「ちがうな」と思ったら、遊びに行っているだけならフェードアウトできます。
たいていは第一印象通りで、そのまま深く関わっていくことになると思いますが、念のため、最初の数回はただ遊びに行くだけに留めておくといいと思います。

アタマではなくココロに従おう

「子ども達のためにこれをしなくちゃいけない」「親達のために自分はこうするべきだ」とアタマで考えてやっていると、きっとだんだんと辛くなります。そうではなくて、それをすることが「愉しいなあ」と思えることを見つけて、無理のない範囲で続けるようにしてください。
もちろん、やっているうちに「愉しいなあ」ではすまずに「やるしかない」とのめりこんじゃうこともあるかもしれませんが、その時もやはりアタマではなくココロに従ったほうがいいと思います。

できる範囲を守って細く長く

ちょっと厳しいようですが、「できる範囲を守って」と強く言いたいです。そして、はじめたらやめないで続けてほしい。
家族と関わるときの5つのレベル~あなたはどのレベルで仕事をしますか~でも書きましたが、自分の実力の範囲を超える仕事をすると、支援する側もされる側もひどく傷つくことになります。これはボランティアでもプロフェッショナルでも同じこと。
具体的には、たとえば愛着の問題を抱えた子ども、あるいは親を支援しようと熱心に関わって、その支援の難しさにバーンアウトして投げ出してしまう、というようなケースを心配しています。そうでなくても、人と人が関わることですから、他にもいろいろなことは起こります。
だから、家族支援に関わる人には、まず自分を知ってほしいのです。自分の仕事の範囲を見極めていてほしいのです。
ごめんなさい、こんなことを書いて、心配をさせてしまいましたか? なにをするにも失敗はつきものです。あまり神経質になリ過ぎる必要はないとも思いますが、もし、直接支援に関わるのが心配だったら、家族支援を後方支援する方法もたくさんあります。

会話はアサーティブに

新しく出会った人々と関係を築くときには、必ずアサーティブなコミュニケーションを心掛けることをお勧めします。
アサーティブとはつまり、対等な立場で過不足なく自分の考えを伝え話し合うこと。
人はどうしても、これまでの経験で培った認識を基に発想しがちです。だから、お互いの経験を知らない同士の場合、丁寧に自分の思いを説明しあうことが大切です。

mami
mami
と書いているものの、知っているとできているは違うんで、私が上等なコミュニケーションができるニンゲンとは思わないでねー。そんな立派なヤツじゃないんだ、残念ながら

自分で始める

どこかの団体に参加することだけが、家族支援の方法ではありません。
全く新しい家族支援プログラムを、自分で、あるいは誰か仲間とともに作って始めることだって楽しいと思います。
世の中にはまだ、家族がしんどい状況がたくさんあって、新しいアクションは絶えず求められています。
この場合は、まず、エリア(地域だけでなく地域を超えた分野という意味のエリアを含めます)を知ることから始めます。
自分が活動しようと思っているエリアに、どんなものがすでにあり、どんなものがないのか。家族は、あるいは家族支援者はなにを必要としていて何を不要と思っているのか。どうせなら、足りないところを補う方がやりがいがあるし、エリアにも歓迎されます。
やりたいことをやみくもにやってしまうより、現状を見極めてからスタートすることをお勧めします。

mami
mami
プログラムの具体的な作り方については、またそのうち書きますので少々お待ちを

動けばつながって、つながると廻り始める

参考までに、私のはじめの一歩についても、少しご説明しておきますね。

まずは図書館通いの毎日

私が25歳で家族支援を志して、まずはじめにやったことは、地元の図書館に通うことでした。
フリーライターをやめて専業主婦になったばかりの頃。まだインターネットが普及していない時代。
夫が働いている間、私は毎日のように図書館に行っていました。
福祉、教育、心理あるいは家族のことについて、本を読みまくり勉強しまくりました。
問題はなんなのか。真理はなんなのか。なにが必要なのか。
この時の猛勉強が、私の礎になりました。
そのなかで、なにか一冊だけ読むべき本を挙げろと言われたら、やっぱり「問題の子ども」(A.S.二イル著、黎明書房刊)ですかねえ。
でも、神谷美恵子も、松崎運之助も、小出まみも、斎藤学も、西村秀彦も、、、。ダメだ、挙げきれない!

mami
mami
各々ジャンル別の、私が考える「読むべき本たち」についても、またそのうち書きますので少々お待ちを

 

近所の学童保育指導員になる

図書館通いを1~2年続けた後、本ばかり読んでいても仕方がないので、つぎはゲンバに行かないと。
そう思って見まわすと、近所に学童保育所がありました。
指導員の募集など何もしていなかったのですが、突然訪ねていって、半ば無理やり、週数日のバイトとして雇ってもらいました。バイトのない日はもちろん図書館。
そして、実際に子どもと触れ合って体験学習をさせてもらうのと同時に、図書館で培った知識を、子育て情報通信的に、定期的に保護者の方に配ったりしていました。
今考えると、バイト風情がさしでがましいことをしたもんです。学童保育所にしてみれば甚だ迷惑な話ですが、若気の至りですねー。
このとき、どなたかに
「子どもがいない人には、やっぱり親の気持ちはわからないものよ」
と言われて、後々合計3人産んだのでした。
夫が転勤族のため、この地で過ごしたのは4年間でした。

子育て勉強会スタート

次に行った土地で1人目を産むとき、私は助産院出産を選びました。ちなみに、助産院での出産を選ぶ人は、全出産の0.1パーセントだそうです。私は研究に研究を重ねて、これがベストの出産方法だと思ったんですが。
さて、話を戻すと、そのときの助産師の先生が、私が子育ての勉強を重ねていることを知り、子育て勉強会をやらないか、と声をかけてくださったんです。
その助産師さんは保育園も経営していて、その多目的ホールを休日に無料で貸してくれるというのです。それどころか、活動資金もポケットマネーから出してくださいました。
自分がお産をした最近の母親を見ていると、心配で仕方がない。母親たちに、子育ての知恵を授けたい。とはいえ、年配の自分が出ていってはお説教臭くなってしまう。だから同世代のあんたがやりなさい。
彼女はそう言って、私に活動のきっかけをくれたのです。
こうして私は、赤ちゃんを抱えながら、同じ乳幼児のお母さんたちとともに、子育て勉強会を立ち上げたのでした。

そして廻り続ける

このとき始めた子育て勉強会が、私が手がけた最初の家族支援。当時は、家族支援という概念も、子育て支援という言葉さえ知りませんでした。まさか家族支援がペイドワークになるとも全く思っておらず、一生ボランティアで活動していくと思っていました。
なお、この勉強会は、再度の夫の転勤で私がこの地を離れた後も、しばらく地元のお母さんたちが引き継いで続けてくれました。
その約10年後、ファミリーライフエデュケーターの資格を取って起業したとき、最初に仕事をくださったのも、この助産師さんでした。飛行機代を払ってまで、私を自分の保育園に講演に呼んでくださったのです。もう亡くなられてしまいましたが、私の心に永遠に生き続ける恩師です。
以後も、一所懸命仕事を続けるうちに、彼女とのようなつながりが、行く先々でつぎからつぎへと新しく生まれ続けました。
そしてその、つながってくださった皆さんから様々なお心遣いをいただき、家族支援者としての私の人生は、今も廻り続けているのです。