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家族支援のプロじゃない人材がなぜ必要か?
そもそも、子育て支援をしようっていう人は、だいたい当事者や保育・教育・福祉関係者、それに学者がほとんどです。
(子育て支援は、家族支援の範疇で、日本では家族支援に類する活動をこう呼びます。日本では、家庭支援という言い方より子育て支援という言い方の方がずっとメジャーです。)
みんなそれぞれに子育て支援=子ども/親/家族支援に熱い思いはありますが、組織運営や事務・経理、営業、ウエブ制作などのプロではありません。
けれど、自分達の活動が少しずつ大きくなるにつれ、そういう側面を担う人材が必要になってきます。
すると、団体のリーダーやその周辺の人達が、素人ながらなんとか運営を支えていくことになります。
そして、ホントはずっと直接支援の仕事がしたい、つまりゲンバにいたい、という想いを抱えながら、彼女等彼等は運営や事務仕事に追われてしまうのです。
そんなとき、家族支援のプロ達がゲンバに没頭できるよう、その屋台骨を支えてくれるそういうことに長けたプロがいてくれたら、どんなにありがたいことか。
というわけで、全国の子育て支援団体は、直接支援をするプロだけでなく、下記のような人材も常時大募集中です(だと思う)。
こんな人材を求めています
運営/事務/経理
団体で言うところの、事務局機能ですよね。
ここにしっかりした人材がいるってことは、もうみんな喉から手が出るほどほしい状況。
なにしろゲンバの支援者は「あれもやりたい」「これもやりたい」と、つい採算度外視でやってしまう。
そこをちゃんと手綱をひいてくれている人がいたら、安心して、自由な発想で支援ができます。
営業
本来、社会的アクションをする団体は、財源のチャンネル(経路)をたくさん持ち、活動を安定させるのが理想です。
もちろん子育て支援業界の各団体だって、一つの委託や助成金に頼るのではなく、多様な資金調達先を開拓したいところです。
が、とにかく人手不足でそっちまで手が届かない、というのが多くの団体の実態ではないでしょうか。
家族支援は、支援の対象者からは原則費用を取らないので、団体のファンドレージング(資金調達)は、思いきってざっくり言ってしまうと、主に下の三つですかね。
・公的資金獲得
運営委託を採ったり、補助金、助成金を採ったり。
税金や企業の社会貢献、あるいは財団法人から資金を調達するには、そういうところが出す募集に絶えず目を光らせ、応募する際には膨大な書類を用意しなければなりません。これはなかなかたいへんな作業です。
・協賛企業や個人の獲得
ここは多くの団体ができそうでできていないところだと思います。
最近の団体は、企業の協賛を得たりすることに長けているところもありますが、当事者のボランティアがいつの間にか組織体になったようなところでは、この発想さえない。
大企業ではなくても、地域の商店街でも、地元の子育て支援に寄与するのなら、と協賛してくれるところってありそうな気がするけど、アプローチさえできていないケースが多いように思います。
・自主事業
一昔前ならバザーとか。今ならウエブを使ったアクションとか。
それぞれの団体のリソース(もっているもの)を活かして資金化する試みのことです。
商才がある人がいて、ここも活性化できるとありがたい。
ウエブ制作関係者
ウェブサイトを作ってくれる人や、団体の活動をSNSで絶えず発信してくれるようなプロボノ(自分のスキルを活かして社会貢献することまたは人) も欲しい!!!
その他
この他にも、団体の活動について広く知らしめるための広告関係者、団体のパンフレットなどにイラストを描いてくれるイラストレーター、サイトや本のデザインができるデザイナー、普段の様子を収めておいてくれるカメラマン、子育てひろばで親子コンサートをしてくれる音楽家など、言いだせばきりがないです。
でも、家族支援のプロの仕事と収入についてでも書いたように、この業界で潤沢な収入は期待できません。
同じ仕事をするならやっぱり、給料がいいほうに行っちゃいますよね。
私のように古くからやっていると、子育て支援の仕事を、ボランティアの持ち出しじゃなくて、給料もらってできるだけでありがたいという感覚が抜けないんですけど、今から仕事に就く人に、安月給だけど我慢して、というわけにはいきませんからねー。
副業・プロボノ・ボランティアという選択肢
日本の家族支援に配する税金は少ないし、キリスト教国のような寄付文化もない。
団体の側も、多くが、商才もないし、クラウドファンディングを活用する裁量もない。
結局、いまだに、ボランティアやそれに近い働き方をする人がこの業界を支えている。
そんな状態だから、いろんな職種を募集するなんて夢のまた夢。
ゲンバ仕事をする人たちが、素人仕事で、運営や事務やウエブ制作をするっていうところがまだまだ多いのではないかなあ。
副業でも、プロボノでも、ボランティアでもいい、という人はいないかな。
本業で十分な収入を得ているから、協力してもいいですよなーんていう、奇特な人。
産休中の母親で子育てひろばに来ている人が、産休中だけ自分の仕事を活かして協力してくれたり、っていうケースはあるんだけど、子育てに縁のない人がボランティアに来るっていうのは、まだまだレア。でもきっと、きっかけさえあればやってみてもいいっていう人は、意外と多いんじゃないかなあ。
というわけで、子育て支援業界は、家族支援のプロじゃない人材を切実に求めているのです。
☆さっそく具体的にアクションしたい人はとりあえず気楽に家族支援を始める方法を、いろいろ考えてみたも参考にしてください。