家族支援理論によると、
カウンセリングルームでカウンセラーとクライアントとして暗黙の上下関係がある中で出会うより、
ボランティアと親のように対等で親しい関係で出会うほうが、
有効な結果を得やすいといわれています。
だから、まずは同じ立場の関係だと意識できるような雰囲気作りが、家族支援のプロの仕事。
それは、毎度おなじみ、そのほうが効果的だからです。
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対等で親しい関係の上に「支援」は成り立つ
「支援」という言葉のイメージもいろいろなんですね。
ここではもちろんシンプルにMake A differenceのアクション。日本語で思いきってひらたくいえば、「思いやり」とか「おせっかい」とか、究極的にはそういうイメージになるのかなー。
カナダの子育てひろばでは、利用者もスタッフもファーストネームで呼び合うので、立場は違うけれど、人としては同じ価値を持つと感じやすいように思います。
日本は、上下関係を大切にする文化があるので、カナダやアメリカより対等で親しい関係を作りづらいかもしれません。
親であることに価値がある
まず、そもそも親自身が、自分の立場を下に置いている。
私自身、何かの折に、カナダの先生に「自分はただの母親(just a mother) だから……」ってメールしたら、
「君は実際に子育てしてきたんだから、家族支援者としては、大学教授より、保育士より、君のほうがふさわしい」
とお返事をもらって、目からウロコでした。
いつのまにか、私は、「ただの母親は、ただの主婦は、教授や教師や保育士より立場が下」と思い込んでいたんですよね。
って思っていたはずなのに。
でもよく考えたら、カナダの先生の言う通り、当事者(親)出身であるということは、むしろ専門家より共感力が高く、対等で親しい関係に近づきやすいので、家族支援者としてアドバンテージがあるんですよ、みなさん!
そうそう、共感力も、家族支援のプロの大切な条件です。
自分のパブリックイメージを壊そう
ところが。
ファミリーライフエデュケーターの資格を取ってから、ただの母親だった私は、一転「カナダの子育て支援の専門家」になっちゃったんですよねー。
それがないと資格社会・日本で、家族支援を仕事にすることはできなかったけれど、家族支援理論から言えば、それがあることで、対等で親しい関係へのハードルを自分で築いてしまったことも確か。
そこで私は一計を案じ。
他にも、ぶちかましエピソードは売るほどあるのでね、そこは困りませんでした。
私のような専門家の肩書を持っている人だけでなく、世間一般になんとなく上級と思われている仕事をしていて、家族支援をしたいと思われる方は、そのイメージを自ら壊すところから始めてください。
たとえば、ある弁護士さんに、ランニングシャツとステテコで現れてはいかがでしょう?と進言したこともあります笑。